この記事では、「千種区南明町の家」に採用されている数々のオプションについてご説明します。
●無垢フローリング
2階の全フロアと1階の洋室には、無垢の複合フロア(タモ材)を採用しています。
●ピットリビング&ウールのカーペット仕様
↑ ダイニングより1段下がったピットリビング。家具のいらないカーペット仕様
●天井カセット式エアコン
↑ 目立たない納まり 天井埋め込み式のエアコン設置済み。
●エアコン3台設置済み
1階洋室・3階の2つの洋室にエアコンを設置しています。
●玄関 スイスのカーテンメーカー creation baumann社製バーチカルブラインド×2窓&カーテンボックス
バーチカルブラインドの代名詞とも言える存在、スイスのCréation Baumann社製のバーチカルを玄関の2窓に採用しています。
ファブリックと透過した光の質感、透け感のバランスを吟味してセレクトしました。
カーテンボックスの造作はリビングのみが標準ですが、バウマンのバーチカルが際立つよう、根元のメカを隠すカーテンボックスを玄関にも造作しました。
●1階洋室 トーソー社製バーチカルブラインド×2窓
1階洋室は国産のバーチカルを2窓取り付け済みです。
●リビング creation baumann社製 気流止めレースカーテン
リビングの空調された空気が逃げないようにする為に設けた気流止めのレースカーテンです。
こちらも creation baumann社製のレースカーテンで、ヒダが美しくなるように特殊なレールをオーダーしています。
レールはカーテンボックスの中に隠れて納まっており、レース生地だけが見えるような納まりになっています。
●リビングFIX窓ハニカムシェード
アメリカのルーセントホーム社製のハニカムシェードです。トップオープン式となっており、上部と下部を好きな位置でオープンにできます。
●寝室天井木貼り仕様
寝室の天井の一部は木貼りとし、間接照明が埋め込まれた天井の造作になっています。
●電動シャッター追加3箇所
電動シャッターはリビングのみが標準ですが、1階南側の窓に1つ、3階の寝室に1つ、子供室に1つ、合計3箇所追加しています。
●子供部屋本棚と照明
子供部屋のデスクスペースの上部を有効活用する為に、本棚を造作しています。本棚の棚下に手元に影が落ちないタスクライトを設置し、デスクスペースとしての機能性を高めています。
●階段FLOS社製照明器具
イタリアの照明メーカー、FLOS社の照明「GLO-BALL」を階段に合計4つ採用しています。シェードに全くムラがない完璧なディテールは見た目の美しさだけでなく、光の質にも反映されています。発売から20年以上経過していますが、永遠の定番とも言える照明です。
●トイレ ルイスポールセン社製照明器具&壁大理石モザイク&トイレ手洗い&タンクレストイレ
トイレにはタンクレスを採用し、手洗いを別に設けています。その壁面には質感の高い大理石モザイクを採用し、照明器具によってその質感が浮かび上がるように計画しています。
照明器具は北欧を代表する照明メーカー、ルイスポールセン社のVL38wallを採用しています。
●子供部屋寝室カーテン
窓からの出を抑えつつ、光の量を調整しやすいシェード式のレースカーテンです。カラフルなポンポンは別オーダー品で、レースの先端に縫い付けてもらいました。FIX窓にはホワイトのウッドブラインドを採用しています。
電動シャッターで自由に光の量を調整できるので、寝室のカーテンはレースのみ。ライトグレーのレースにオーダーで黒のトリムを取り付けてもらいました。
●リビング造作窓枠
リビングの南西側にある上下2つの窓。この窓枠は原寸の図面を引いてオーダーで加工してもらいました。材質はオークで、窓枠内側にはぐるりと額縁のような加工が施されています。
●ダイニング壁タイル&間接照明
質感が高く、存在感はあってもいやらしさ・変な高級感は皆無。本当に素敵なタイルです。上部には間接照明が設置してあり、光があたる事でその質感がさらに際立ちます。
●リビング壁タイル&リビングボード&埋め込み型の壁掛けテレビ
リビングの壁面にも同様のタイルを施工しており、上部には間接照明が埋め込まれています。リビングボードは作り付けで、横幅がとても広いので、収納量が豊富です。
●1階・2階ハードウッドのウッドデッキ
1階と2階のウッドデッキは、イタウバという樹種のハードウッドを採用しています。密度が高く硬く、油分が豊富な為、特別なメンテナンスをせずとも20年〜30年の耐久性を持つ非常に高品質なデッキ材を使用しています。
●造作背面収納&タイル貼り&stringシェルフ
キッチンの背面には造り付けの背面収納とスウェーデンString社のシェルフが取り付けられています。壁面はタイル貼りです。詳しくは間取りの解説記事をご覧下さい。
●洗面背面ガラスモザイク
洗面台の背面にガラスモザイクを採用。照明の光があたって綺麗です。立ち上がりの上部なので、目地の汚れを心配する必要はありません。
●外構の石畳
駐車スペース全面に石畳を採用しています。
●FLOS社製表札灯
イタリアの照明メーカー、FLOS社のエクステリアブラケットライトを採用しています。
●高耐久性の外壁&タイルの外壁
外壁には耐久性が高いニチハ社のプラチナコート30を使用。褪色や変色が目立たず、将来的な塗り替えメンテナンスコストを抑えられる仕様の外壁を採用しています。
アクセントで内装で使っているものと同じタイルの色違いを採用しています。
●リビング造作本棚
リビングの壁面に埋め込み型の本棚を造作しています。
●ダイニング脇収納
扉付きのワイドなカウンター収納がダイニング脇に造作されています。
●吹付断熱
断熱材は壁・天井共に吹付断熱を採用しています。職人の施工レベルによって性能差のばらつきが少なく、隙間なく断熱材を充填できる事が最大のメリット。
●テレビアンテナ
テレビアンテナ&BSアンテナが取り付け済み。アンテナ工事やケーブル契約等は不要ですぐテレビが見られます。
この記事では、「千種区南明町の家」3階の間取りについて解説します。
3階には居室が2つと納戸が1つ。
他の階と同じく、廊下がほとんどなく、床面積のほとんどを居室に割り当てられた造りになっています。
また、どちらの居室も最高の陽当たりです。
●南東側の子供部屋
↑ 「千種区南明町の家」景色は抜け、空が広く、どの時間も陽があたる子供部屋
南東側に2つ、南西側に1つ、3つの大きな採光窓があり、どの時間帯も明るい子供部屋です。
どの窓も道路側に計画されているので、窓からの景色が抜けています。
空は広く、南東側の窓からは東山タワーが見え、解放的で景観も陽当たりも良い子供部屋です。
南西側の窓からは大きなバルコニーに出られます。
このバルコニーには、物干し金物が設置してあり、布団を簡単に干せるような動線になっています。
十分な量の収納クローゼットの隣には、デスクが納まるスペースがあり、家具がキレイにレイアウトできる形状のお部屋となっています。
空間を無駄なく活用する為に、デスクの上部には本棚が造作されており、その本棚の棚下には、デスクの上を満遍なく照らせる照明器具を設置。利き手に関わらずデスク上に影が落ちない設計になっており、学習スペースとして最適な環境になるように設計されています。
●南西側のお部屋
↑ 「千種区南明町の家」朝日がまぶしい寝室
ここは寝室として使っていたお部屋です。
南東側に大きな採光窓があり、午前中はまぶしいくらいに陽が入るとても目覚めの良い寝室です。
南東側の窓は電動シャッターが設置されており、遅くまで寝たい日は枕元のリモコンで差し込む光の量を自在にコントロールできるようになっています。
逆に、枕元のリモコンで電動シャッターを全開にすれば、一気に目が覚めます。
クローゼットは2つあり、うち1つは上下ダブルで洋服を掛けられる大容量の仕様になっています。
このお部屋からも大きなバルコニーに出入りできるようになっており、布団を簡単に干せる動線になっています。
窓は道路側で、窓の外には障害になるようなものは何もなく、ベッドに横になりながら窓の外の広い空に浮かぶ月を見ながら就寝できる素敵な寝室でした。
参考記事:クローゼットを最大限活用できるダブルハンガーパイプ仕様
●納戸
ここは、ファミリークロークとして使っていたので、2段式の大容量クローゼットハンガーが設置されています。
バルコニーもあり、エアコンを取り付ける事も可能なので、仕事部屋や趣味の部屋として使う事も可能です。
この記事では、「千種区南明町の家」2階の間取りを解説します。
●廊下がほとんどない間取り
土地の解説記事でも少し触れましたが、土地と建物の質、どちらも妥協せずに無駄な予算の上昇を抑える為には、敷地面積も建物の床面積も、1坪たりとも無駄にする事はできません。
廊下や、何に使われているのかよくわからない曖昧な空間をできるだけ少なくし、1坪に価値を凝縮するような設計をする事が重要です。
「できている事・実現している事」が同じであれば、土地の広さは1坪でも少ないほうが良いです。
「できている事・実現している事」が同じであれば、床面積が1坪でも少ない間取りのほうが優秀な間取りだと考えています。
「千種区南明町の家」には、廊下がほとんどありません。
延べ床面積を増やさずに、いかに収納や居室などの居住空間を充実させるか。
その事をかなり意識しながら間取りを組み立てています。
2階のリビングフロアにも、廊下がありません。
敷地の建ぺい率をギリギリまで使い、かつ、床面積を最大限収納と居住区間に割り当てる事によって、30坪以下の敷地面積でありながらも、20畳弱のゆとりのあるリビング空間を実現しています。
●横幅1.8mのダイニングテーブルをセンター配置できるゆとりのあるダイニングルーム
↑ 「千種区南明町の家」リビングよりダイニング方面を見る。
ダイニングルームには、ゆとりのある大きさのダイニングテーブルを置きたい派ですが、せっかく大きなテーブルを置くのなら、窮屈な配置になってしまうのは避けたいです。
ゆとりのある大きさのテーブルを、ゆとりを持って配置したい。
具体的には、横幅1.8mのダイニングテーブルを、テーブルのまわりを回遊できるセンター配置が可能な設計にしました。
大きなダイニングテーブルはいい事がたくさんあります。
・家族だけで使う時は広く使える。
・作業や読書、勉強などをしている途中でも、食事のスペースが十分にある。
・誰か来ても広く使える。最大8人まで使える。
・クリスマスやお正月など、食卓にいつもよりも料理が並ぶ特別な日にも余裕を持って使える。
・テーブルの上を飾っても、十分に余裕がある。
・インテリアとしての存在感があり、大きな照明器具と組み合わせられる。
ぜひとも、大きめのテーブルをレイアウトして使って下さい。
●ダイニングテーブル脇にある収納とカウンター
↑ 「千種区南明町の家」ダイニングカウンター
物が置きやすい場所には、物が勝手に集まってきます。
その代表的な場所がダイニングテーブル。
放っておけばテーブルの上に物が集まり、食事の前にテーブルの上を片付けなければいけない状況は多いのではないでしょうか?
その時、ダイニングテーブルのすぐ脇に収納があれば便利ではありませんか?
この扉付きの隠せる収納は、郵便物や書類・文房具・レシート・サプリメントや薬・メガネや腕時計・化粧品類・子供の勉強用具や遊び道具など、ダイニングテーブルの上に集まりがちな物を収納する場所として計画されています。
カウンターの上には、照明器具やフラワーベース・アロマディフューザーなど、インテリアのディスプレイスペースとしてあまり物を置かずに使っていましたが、テーブルの上をすぐに片付けたい時のとりあえずの物の移動先として、人数が多い時に食材や飲み物・食器を置いてダイニングテーブルの予備スペースとして使えるのでとても便利でした。
●ダイニングチェアに座ったまま手が届く、ニッチ収納
↑ 「千種区南明町の家」ダイニングテーブルから座ったまま手が届く場所にあるニッチ収納。
物があつまりがちなダイニングテーブルの上をすっきり片付くような設計にしたい。
そう思い、ダイニングテーブル脇に扉付きのカウンター収納を計画したというのが前項のお話ですが、ダイニングテーブルまわりの物の中には、使用頻度が高くすぐ手が届く場所に置いておきたい物があります。
例えば、ボックスティッシュやウェットティッシュ(アルコールの除菌タイプとノンアルコールのもの)・ハンドクリームやリップスティック等のよく使う化粧品類、塩や醤油などの調味料です。
使いたい時にすぐ手が届く場所に置いておきたい物ですが、テーブルの上に置きっぱなしにはしたくありません。
これらの物を置いておける場所として、キッチンカウンターの下部にニッチ収納を計画しています。
このニッチ収納内にはコンセントがある為、充電スペースとして使う事も可能です。
特別な努力や収納テクニックを用いなくとも、納まるべき場所に自然と物が納まり、使いやすく仕舞いやすい、自然に使えて自然に片付く。そのような間取りが自分の理想です。
●機能性を重視して造られたキッチン
↑ 「千種区南明町の家」手元が隠れてスッキリ見えるキッチン。
特別な努力やテクニックがなくとも自然に使えて自然に片付く工夫はキッチンにもいくつかあります。
まずはキッチンの天板と手元が隠れるように設計されたカウンターです。
このカウンターはキッチンの天板から20センチの高さの立ち上がりがあり、それによってリビング・ダイニングから水切りカゴが見えなくなります。
キッチンの天板には、水切りカゴの他にも物が置かれている状態が自然な状態と考えています。
どのような状況にあっても、リビングやダイニングからはすっきりと片付いた印象になるようにカウンターの高さが設計されています。
天板より20センチの高さにカウンターがある事によるメリットは手元が隠れる事だけではありません。
ある時は調理台の延長として調理器具や食材や食器を置いて。
ある時は出来上がった料理の配膳用カウンターとして。
食事の時には、テーブルの上の空いたグラスやお皿を置いておくカウンターとして。
多目的な使い方ができるように、カウンターには奥行きを持たせてあります。
また、カウンターに奥行きを持たせる事によって、ダイニング側から座ったまま手が届くニッチ収納を計画できています。
もちろん、20センチの立ち上がりとその奥行きによって、キッチンからダイニング側への水はねを軽減できるという役割もあります。
↑ 「千種区南明町の家」キッチンハンガーレール。
さらに、20センチの立ち上がり部分に収納用ハンガーレールを設置しています。
キッチンペーパーや使用頻度の高い調味料や台拭きなどをすぐ手が届く位置にセッティングできる事はもちろん、キッチン天板から浮かせて収納する事で、天板の上の物を移動しなくてもサッと拭き掃除ができる設計になっています。
良く使うものはすぐ使えるように出しっぱなしになるのは、自然な状態だと思います。
生活感をなくす為に、水切りカゴを無くすというのもおかしな話だと思います。
住宅の本質は生活そのものだと思います。
特別な努力を必要としない、普通に生活していれば自然に片付く。
そんな家や間取りが自分にとっては理想です。
●収納量豊富な背面収納
↑ 「千種区南明町の家」キッチン背面収納
まず、冷蔵庫と背面収納との間に壁を立ち上げる事で、冷蔵庫上のスペースを収納として無駄なく活用できるようになっています。
冷蔵庫上には2段の棚板が設置してあり、すき焼き用の鍋だったり、ワインクーラーだったり、たこ焼きプレートだったり、行事や来客の時、使用頻度が低いものを収納する場所として活用しています。
収納量が増えるだけでなく、冷蔵庫の側面が隠れる事によって、見た目が相当にスッキリします。なぜなら、冷蔵庫や洗濯機等の家電製品は、側面まで見栄えが良くなるように配慮されて作られていないからです。
背面収納は造作です。寸法を現地で合わせて制作していますので、三方に余計な隙間がなく、スッキリ納まっています。
隙間がないという事は、お手入れのしやすさにも繋がります。
複数のゴミ箱置き場を設置し、必要なゴミ箱にすぐアクセスできるようになっています。
カウンターの上はオープンに使えるよう、カウンター下に家電が収納できるようになっています。
カウンター上部には吊り戸棚(String シェルフ)が設置されています。
扉付きの食器収納のほかに、使用頻度の高いマグカップやグラスをさっと取り出してすぐに仕舞えるように、オープン棚が組み込まれています。
背面収納の奥にある小さな窓は、キッチンの換気扇をONにしている時に外気を取り込む為の窓です。
ここから外気を取り込めば、ダイニングやリビングの空調された空気はそのままに、キッチン内で給排気を完結できます。
●ゴミを置く場所としての勝手口バルコニー
可燃・プラ資源・不燃・紙・ペットボトル・空き瓶・空き缶
これだけの種類のごみを仕分けしながら整理する事は、キッチンのスペースだけでは困難な事がほとんど。
使用頻度の高い可燃ごみとプラ資源のごみ箱をキッチンの背面に配置し、他のごみ箱はキッチンに隣接するバルコニーに配置する事で、使い勝手を犠牲にせず、キッチンの背面スペースを有効に活用し、かつ、整理された空間を実現しています。
においが気になる生ごみや、口を縛って出すばかりになった可燃やプラ資源のごみ袋を一時的に置いて置く場所としても使えます。
キッチンのすぐ横にある便利なスペースです。
何より、次の項で説明するウッドデッキのバルコニーに物を何も置かなくても良いようにしたかったのです。
●リビングとダイニングに隣接するウッドデッキのバルコニー
このバルコニーがあるおかげで、生活が豊かになりました。
陽当たりがとても良いこのバルコニーは、朝起きて日光を浴び、目を覚ますのに最適でした。
お風呂上がりに夜風にあたりながら歯磨きをするのにも気持ちの良い場所でした。
この場所で食事をする事も多かったです。においが気になる焼肉などをする時はこのバルコニーを使っていました。
リビングに隣接しているので、食事をしながらテレビを見る事もできます。
キッチンにも隣接しているので、食器や食材の上げ下げや準備や後片付けも苦になりません。
上部はバルコニーで屋根がかかっているので雨にも濡れません。
隣家や道路からの視線とは完全に切り離されたこの場所は、リラックスして使えるリビングの延長のような場所でした。春や秋はほんとうに気持ちが良かったです。
目の前に大きな街路樹がある事で、リビングやダイニング・バルコニーからの景観は素晴らしく、便利な街中の立地にも関わらず自然を感じる事ができました。
今は剪定されて寂しい感じになっていますが、時間が経てば枝葉が成長し、環境と景観に彩りを与えてくれるでしょう。
●陽当たりの良さ
ダイニングとキッチンには、南東側に床から天井までの大きなFIX窓があり、午前中はこの窓から陽が差し込みます。
南西側には掃き出し窓があり、午後はこの窓からの光が部屋をしっかり明るくします。
リビングも同様です。南東側と南西側双方に窓があり、どの場所も時間を問わずに明るい、これ以上は望めない恵まれた光環境のLDKだと思っています。
この記事では、「千種区南明町の家」の間取りについて、なぜこのような間取りになったのかを解説します。
一見すると活用が難しいように思えるこの敷地形状。
間取りを計画してみて、普通の長方形の土地では決して実現する事ができない魅力的な間取りの要素を数多く発見した事は、この土地の購入を決断した大きなきっかけでした。
●L型の建物配置によって、あらゆる居室が南側と東側から採光を受けるように。
↑ 「千種区南明町の家」南からの光を取り入れられる壁面はオレンジ色の部分。広く満遍なくどのお部屋も時間帯を問わず明るい間取りです。
L型の建物配置にする事で、光を室内に取り入れる事ができる壁面を長く確保できる間取りになっています。
この配置のおかげで、午前は南東側より、午後は南西側より、2つの採光面を持たせる事によって、どのお部屋に対しても時間帯に関わらず満遍なく光を取り入れる事ができる設計になっています。
寝室や子供部屋は朝から光が差し、明るく目覚めの良い環境です。
ダイニングキッチンは、朝食時も昼食時も明るく、気持ちがよく食事ができます。
1階の居室や2階のリビング、3階東側の子供部屋は朝から夕方までどの時間帯も明るく、採光の環境としてはこれ以上望む事はない環境です。
● L型の建物配置によって生まれる多様な外部スペース ~ その1 玄関アプローチ ~
三角形の土地にL型に建物を配置する事によって、3つの外部スペースが生まれます。
1つ目は、広々とした玄関アプローチです。
↑ 「千種区南明町の家」玄関アプローチ オリーブの木が目隠しとしても機能します。玄関前の土間スペースには、子供用自転車を置けるくらいのスペースがあります。
四角形の敷地では、駐車スペースに圧迫されて独立したアプローチを確保する事が難しい事が多いのですが、「千種区南明町の家」では、駐車スペースから独立し、かつ、植栽スペース(オリーブの木)がある余裕の玄関アプローチを実現できています。
このアプローチはウッドフェンスで囲まれており、道路から玄関内部の様子を伺う事ができないようになっています。
この独立した玄関アプローチは、この敷地形状でなければ実現できない「千種区南明町の家」の魅力のうちのひとつです。
●L型の建物配置によって生まれる多様な外部スペース ~ その2 玄関に面したウッドデッキのお庭 ~
玄関に入ってまず目に入るのは、大きなガラス窓に面したウッドデッキのお庭です。
↑ 「千種区南明町の家」玄関入ってすぐ、ウッドデッキのお庭の方向を見る。
このお庭は主に外干し用の洗濯物干しスペースとして利用していました。
洗面脱衣室からも近く、室内の床とウッドデッキとの間には段差がほとんどなく、お洗濯物を持っていても出入りがスムーズです。
物干しの上部は屋根がかかっており、雨にも濡れにくい仕様です。
個人的には、濡れた登山用具やキャンプ用具を乾かす場所として、大変重宝しました。もちろん、傘や雨具を乾かす場所としても活躍します。
何よりも、このウッドデッキのお庭は玄関に隣接している為、このお庭がある事で、玄関が明るく解放的で気持ちの良い空間になっています。
この便利な場所にあるデッキのお庭と明るい玄関は、この敷地形状だからこそ実現できました。
また、この玄関は東側にも窓があり、午前中も明るく、清々しい気持ちで外出する事ができます。
これだけ明るく開放的な玄関を30坪以下の敷地で実現する事は奇跡に近い事だと思います。
余裕のある広さの玄関には、余白となるスペースがあります。
写真左手、テーブルが置いてあるスペースです。
仕事柄インテリアや照明器具が好きな自分にとって、玄関にインテリアや花を飾れる余白の空間をつくる事は念願でした。
窓際で明るい場所である事も、ディスプレイの空間にとって重要な要素です。
写真のように飾るスペースとして使って頂いても良いですが、床置きタイプのコートハンガーを置いてコート掛けのスペースとして使っても良いと思います。
●L型の建物配置によって生まれる多様な外部スペース ~ その3 植栽のお庭 ~
「千種区南明町の家」には、もう1つ、植栽のお庭があります。
1階の居室に面しているこのお庭は、主に観賞用のお庭です。
「ホンコンエンシス」「マホニアコンフーサ」「ジューンベリー」等の植物が育っています。
「ホンコンエンシス」は、春に白い花が咲きます。
「ジューンベリー」は6月頃に実をつけます。
このお庭はウッドフェンスで囲われており、さらに、道路よりも高い位置にある為、カーテンを開けて室内に景観を取り込んでも、外からの視線を感じる事はありません。
1階の居室はオフィスとして使用していましたが、ウッドデッキのお庭と植栽のお庭、2つのお庭と接しており、明るくて景観もよく、とても気持ちの良いお気に入りの部屋でした。
●大型の土間納戸がある玄関
↑ 「千種区南明町の家」かなり大型の玄関納戸です。
外で使う物、汚れた物、濡れている物、車へ積み込んで持ち運ぶ物・・・
このような物を外に出しっぱなしにしなくてもよいように、また、わざわざ家の奥まで運ばなくてもよいように、玄関に土足で出入りできる土間の大型収納があります。
自分は、登山やキャンプが趣味なので、車に荷物を積み込んだり積み下ろしたりする事が多いのですが、大きい物が収納できて、靴を履いたまま車まで往復できる収納は本当に便利でした。
スキーやゴルフをする人にとっても、便利に使える収納だと思います。
洗車や掃除で使った後の洗車バケツや高圧洗浄機、傘などを、多少濡れたままでも気にせず収納できる事も土間収納である事の便利なポイントです。
その他、子供の外遊び道具や三輪車、ベビーカーなどの収納にも最適です。
それと、通販で購入したものの段ボール置き場としても重宝します。
荷物が届いたら玄関で段ボールをバラし、納戸の中に溜めておき、ある程度溜まったら車に積み込んで覚王山にある「石川マテリアル」まで持っていくのが一連の流れでした。
嵩張る段ボールもスッキリ片付き、リサイクル搬出までの一連の流れも実にスムーズでした。
●靴専用の大型の玄関収納
↑ 「千種区南明町の家」靴はウォークインではなく、靴専用の収納に。
靴の収納はウォークインの土間式の納戸とは別に計画し、スムーズでムダのない動線で靴の脱ぎ履き、収納ができるようにしています。
写真の棚板は10段ですが、現在は段数を増やしてあります。
靴の収納量は約80足。十分な量の収納量を計画しました。
●広い玄関は使いやすい
↑ 「千種区南明町の家」ベビーカーを広げられ、椅子を置ける広さの玄関。
「千種区南明町の家」の広い玄関は、ほんとうに使いやすくて快適でした。
スツールを置いても邪魔にならないゆとりのある広さの為、靴の脱ぎ履きを快適にする事ができました。
ベビーカーを広げても余裕がある土間の広さのおかげで、外出の準備や片付けを快適にする事ができました。
車に積み込む荷物や積み下ろした荷物を置けるスペースがたくさんあるので、旅行の準備や片付けがとても快適でした。
●洗面脱衣室内を最大限活用するためにいくつかの工夫
↑ 「千種区南明町の家」使いやすさとお手入れのしやすさにこだわった洗面脱衣室
1階の洗面脱衣室には、限られた空間を最大限に活用できる工夫をいくつも盛り込んでいます。
まず、洗濯機と洗面台の間に間仕切り壁を造っています。
その壁があることによって、洗面台の上の水や髪の毛が、洗濯機との間の隙間に落ちて溜まるような事がないようになっています。
また、間仕切り壁がある事で、洗濯機置き場の上を無駄なく収納として使えるようになります。
洗濯機の上は扉のないオープンな棚になっており、洗濯機のほうを向いたまま洗剤や柔軟剤などの出し入れができるようになっており、無駄な動作を省く設計になっています。
また、使用頻度の高いタオルやバスタオルの収納場所としても、取り出しやすく仕舞いやすい便利な場所です。
この棚板の最下段には、洗濯ハンガーを吊り下げられるようになっていて、洗濯が終わった服を洗濯機から取り出しながらハンガーに掛け、上部にあるハンガーレール(写真右上に少し映り込んでいるシルバーの金物)にストックし、まとめて洗濯物干し場に持っていくという流れになっており、洗濯の一連の動作がスムーズに行えるような設計になっています。
関連記事「お手入れがしやすい洗面台と脱衣室の収納料を少しでも増やす為の工夫」
●「洗う→干す→収納する」を、ほとんど1階で完結できるコンパクトな洗濯動線
洗面脱衣室の近くには、脱衣室内に1つ、脱衣室のすぐ側の廊下に1つ、計2つの収納が計画してあります。
その理由は、家族全員分の下着と室内着をすべて1階に収納できるようにする為です。
それらをすべて1階に収納する事ができれば、アイロンがけが必要な洋服類を除いて、洗濯→乾燥→収納を、1階で完結できるようになるからです。
1階に家族全員分の下着と室内着が収納できるメリットは、洗濯が楽になる事だけではありません。
思い立ったらすぐ、着替えを3階の部屋まで取りに行かなくても、脱衣室やその近くの収納から着替えを取り、お風呂に入れる事です。
この記事では、「千種区南明町の家」の土地を購入した動機について説明します。
不動産の購入・職業の決定・結婚、どれも人生において大きなイベントですが、いずれも絶対的な正解はありません。
双方幸せになれる契約にとって最も重要な事は価値観の一致だと思っています。
他の物件との比較や条件の一致が不要だとは思いませんが、価値観の一致はそれらに先立つものだと思います。
そのような理由から「どのような動機と価値観でこの土地を選んだのか」という事を説明する事は、かなり大切な事だと思っています。
「千種区南明町の家」の購入をご検討されている方はぜひご一読下さい。
●もっとも重要な前提条件「災害に対する安全性が高く安心できる土地」である事
これらは、住まいとして求められる普遍的で本質的な価値であると共に、多くの人がそれを求めるが故に、流動性・資産性の高さにも直結する、自分が土地を探す上で大前提としてきた条件です。
その最も根底にあるのは、「災害に対して安心できる立地である事」だと思っています。
大雨の時、河川の氾濫や浸水の心配をしなくてもよい土地。
地盤が強く、震災時の液状化リスクが低い土地。
津波が到達する心配のない土地。
これらの土地の安全性や安心感に関わる要素は、住まいを考える上で最も普遍的かつ本質的な価値であり、土地探しの最優先事項です。
「千種区南明町の家」の土地についても同様です。
各ハザードマップへのリンクを整理しておきましたので、ご確認下さい。
・津波ハザードマップ(千種区は津波による浸水が想定されていない地域なので津波ハザードマップがありません)
●資産性の高さに直結しつつ、住んで便利な価値「交通利便性の高い土地」である事
安全性の次に重要な要素、それは交通利便性です。
毎日の生活利便性に直結する事ですから、交通利便性の高い土地には普遍的な需要と資産性の高さがあります。
「千種区南明町の家」において、メインになるのは徒歩10分の地下鉄桜通線「吹上」駅ですが、少し歩きますが地下鉄東山線の「池下」駅も徒歩14分で利用可能です。
「地下鉄」という歴史のある安定した交通インフラがある千種区は、いわゆる「旧市街」と言われるエリアです。
旧市街には、新興住宅街のような街全体としての浮き沈みが少なく、長期的に見ても価値が安定しています。
それが、一貫して「名古屋市内東部エリア、地下鉄沿線」の土地ばかりを購入してきた理由です。
●南側に対して約19.7mの間口を持つ「陽当たりの良い土地」である事
陽当たりの良さも、多くの人が土地や住まいに求める普遍的な価値です。
「千種区南明町の家」の土地は、南側に対して約19.7mの間口を持っています。
それによって、朝から夕方までどの時間帯も、季節を問わず、すべての居室が明るい間取りを実現できています。
これは、この地形の土地だからこそ実現されている得難い魅力です。
30坪を切る敷地面積でありながら、南側に対して19.7mもの間口を持つ土地を見つける事は相当に困難です。
その希少性の高さと得難い環境の土地である事は、この土地を購入した最大の動機とも言えます。
●価格に対し最大限の価値が発揮できる「無駄のない敷地面積の土地」である事
分譲住宅は妥協の産物として見られがちなイメージですが、土地と建物を同時にコーディネートする事ができる分譲住宅は、住まいとしてのトータルバランスを追求できる「大きな可能性」を持った商品だと思っています。
その住まいとしてのトータルバランスこそ、自分がこの仕事を通して追及してきた事です。
それを実現する為に最初に考える事が土地の面積です。
1坪あたり100万円を超える名古屋市内東部エリアでは、1坪の土地の違いが物件価格に大きく影響します。
限られた予算の中で、土地の良さも建物の質も妥協しない住まいを実現するには、つまり、住まいとしてのトータルバランスを追求するには、土地も建物も1坪たりとも無駄な面積が生じてはいけません。
どちらも、1坪の面積の中に最大限の価値を凝縮する事が必要です。
今まで仕入れてきた土地は、低層地域を除きほとんどの物件が20坪台前半から20坪台後半の物件ばかりです。
「千種区南明町の家」も、敷地の隅々まで活用しつくされている無駄のない面積と設計になっています。
●この敷地形状だからこそ、「唯一無二の魅力的な間取りが実現できる土地」である事
当然ながら、住まいとしての優れたトータルバランスを実現する為には、敷地面積が小さければそれで良いというシンプルな問題ではありません。
土地探しをした事のある方ならイメージが容易かもしれませんが、コンパクトでムダのない土地を探そうとすると、次は地形の問題に突き当たります。
他にも様々な要素はありますがシンプルに言うと、敷地面積がコンパクトな土地は「間口が小さく細長い土地ばかり」だという事です。
ムダのない敷地面積というだけではなく、良い間取りが計画できる土地の形と間口や寸法が同時に備わっていなければいけません。
さて、千種区南明町の土地は一見、三角形をしている活用しづらそうな土地に見えます。
しかし、実はまったくそうではありません。
建物の配置を計画した時に見えてくる、この地形でしか実現できない間取りとその魅力があるのです。
それを発見した時に、この土地を購入する決断をしました。
この点については、「間取りの解説記事」において詳しく掘り下げてご説明します。
●「現在の住環境が将来に渡って持続する条件を備えている土地」である事
「陽当たりの良い間取りを実現する為の土地の条件」にはかなりこだわって土地を仕入れてきました。
今まで手掛けた家で、陽当たりが悪い家はひとつもないと断言できますが、重要な事は陽当たりが良い間取りを実現する事だけではありません。
その陽当たりの良さが将来に渡って持続する可能性が高いという事があらかじめ予想できる事です。
「千種区南明町の家」は、南側が大きな道路である事によって、その陽当たりの良さが将来に渡って持続する可能性が高く、その事は、この土地を購入した大きな動機のうちのひとつです。
しかし、大きな道路である事から時間帯によっては交通量があります。
音の問題については個人差がありますが、僕自身は南側の道路の車の音が気になる事は生活の中でほとんどありませんでした。
夜間はあまり交通量がなく、音が気になって寝付けないとか目が覚めてしまうような事は、少なくとも僕や家族にはありませんでしたが、この点は現地でお確かめ頂くポイントだと思います。
●程よい高低差によって「陽当たりの良さとプライベート性を両立できる土地」である事。
↑ 歩道より高くなっている地盤面とウッドフェンスによって、視線を遮りプライバシーを確保。建物をL型に配置する事によって、窓を境界線から離して設置できている事もポイント。
道路のある南面に対して大きな間口を持つという事は、よほど広大な土地でない限り、南側の道路と南側に大きく開いた採光窓との距離が近くなる事がほとんど。
道路からの視線が気になる間取りになってしまう事は、間口の広い南向きの土地の宿命とも言えます。
しかし「千種区南明町の家」は、南側の道路よりも敷地が高くなっており、歩行者から室内が容易に覗き込めないような位置関係になっています。
無駄のない30坪以下のコンパクトな敷地面積でありつつ、南に対して20m弱の間口を持ち、採光窓を多く配置した明るい間取りを実現しながら、道路からの視線が気にならないプライバシーが確保された間取りが実現できている。
奇跡的な条件の土地だと今でも思います。
あまりにも整った条件の土地であった為、「千種区南明町の家」は、当初分譲住宅用地として法人で契約を締結した土地だったのですが、急遽個人での契約に切り替えてもらい、自宅にする事にしたのです。